2015年5月28日木曜日

松本ご案内、いたします。4 —丸山 正 の「着物と帯」 池上邸 蔵 にて—


五月の松本は、そわそわしています。

出かけるには、いい季節。

その上、月末のクラフトフェアまつもとを控えて、工芸の五月が行われているから。


今日、ご案内するのは、丸山 正 の「着物と帯」  池上邸 蔵にて です。


何を隠そう、わたくし、丸山正さんの大ファンです!!

パルコの近くの、ぎゃるり灰月で開かれている丸山さんの展示は、皆勤賞並みに拝見させていただいているのです。

美術学校に通っていたころからなので、もうかれこれ8年以上。

松本きもの部をはじめたきっかけの一つが、丸山さんのお着物をいつか自分で着てみたい、という理由でした。


松本の湧水が家々の軒先に湧く住宅街を、てくてくと歩いて、池上邸に向かいます。


毎年、池上さんのお宅の蔵をかしていただいて企画されている工芸の五月ですが、この企画はドンピシャだろうな、と勝手に自信満々に予想。


湧水が滴り、草木が生い茂る、涼やかなお庭を抜けて、蔵の入り口をくぐれば、暗闇に目が慣れずにくらり。

そのまま、少しじっとしていると、だんだん見えてくる、着物と帯の控えめな色加減。

無地の密やかな色合いが、そのまま静かに息づいておりました。

蔵の中のしんとした空気と、ほの暗さに、共調して、同化しそうなほど静謐で。
でも、芯が見え隠れする。

ときに、女性的であり。
ときに、中性的であり。
ときに、危うく、艶めかしくあり。

そして、男性性も含んで、時折ちらりと垣間見える。

どきどきしっぱなしになってしまい、時折くらりとするほどの色香。


お昼過ぎの日差しの強いときに伺ったときと、夕方の逢魔が時では、まるで別世界のよう。


夕方、一緒に伺った友人をモデルに、急遽、巻き付けのパフォーマンスをしていただけることに。

髪型のセットからはじまり、刻々と姿を変える着物姿にうっとりしながら、夢中で写真を撮らせていただきました。


巻き付けパフォーマンス、必見です!!



丸山 正 の「着物と帯」

2015年5月28日(木)~31日(日)
10時~17時


巻き付けパフォーマンス
29日(金)・30日(土) 17時~18時
31日(日)               13時~14時

池上邸 蔵
松本市中央3-13-11

お問合せ:工芸の五月実行委員会 0263-34-6557

































松本ご案内、いたします。3 ―ニチカhair―


今日は、遂に、扇風機とクーラーを使い始めました。

まだ、5月なのに…。


そんな暑すぎる日にご案内するのは、木陰が涼しいニチカhairさん。


女鳥羽川を北上して、カタクラモールの女鳥羽口の川向かいの住宅の中にあります。

善哉酒造さんと女鳥羽の泉という湧水のお向かいさんです。


空き家になっていたときから、いい物件だなぁ、と通るたびにうっとりしていた場所でした。

女鳥羽川沿いの道から少しだけ奥まった位置に建物があって、前庭には大きな柿の木と夏椿。
それと、群生したスミレの花。

ここがお店だったら、気持ちいいだろうなぁ、と夢見ていた通りの素敵なお店が去年の今頃openされたのです。


私より、ちょっとだけ年上のご夫婦が始めたのは、cafeを併設した美容室。

最初は、cafeに通い出して、そのうちに髪も切ってもらうようになりました。


ここに通いだしてから、随分、自分に自信が持てるようになってきました。

だって、ものすごい癖毛で大嫌いだった髪を、癖毛を生かしてパーマを当てたみたいにかわいく切てくださるから!

前髪ぱっつんのショートボブ。
憧れだったのです!!


前髪cutのみや、眉cutのみもOKという面白いメニューもあります。


cutの腕も、トークも、お人柄も抜群のお二人ですが、特筆すべきは併設されているcafe!


なんと、物々交換=1ドリンクなのです!!

読み終わった面白い本でもいいし、自分で撮った写真を紙焼きしたものでも、その場で歌って踊ってもOK。

地元のひとと交流したいとの想いで始められたそうですが、私もここで新しい友人が何人もできました。


普段は駐車場になっている前庭で、ヨロシクの会というイベントも数か月に一度のペースで行われています。

飲食ブースに、手づくりの雑貨やアクセサリーの展示・販売ブース、フリマ、ニチカさんによるお子さまcutなどなど、盛りだくさん。

次の企画も、何やら楽しくて新しいことを企てているそうです。


先日は、内輪でB.B.Qをしました。

柿の木の花芽が雨のように降ってくる中で、お肉をもりもり焼いて食べ、恋の話に花が咲き、猫をかまい、みんなで雑魚寝をする、楽しい夜でした。

松本に、また面白いひととお店が増えました。


追伸…前庭にあるモミジの木は、オーナー夫妻のお姉さんの方の手でハート型に手入れされています(笑)。



ニチカhair

〒390-0874 松本市大手5-3-5
電話 0263-39-4439 (予約優先)

火・水・木・土 10時~19時
金 10時~21時
日 10時~18時














2015年5月22日金曜日

松本ご案内、いたします。2 —林迫山のおめんこ展 たつのこ書店にて—


今日の松本は、昼間でも、少し風がひんやりと涼しい。
真夏日が続いても、朝晩は涼しすぎるほどなので、身体は楽です。

そして、空気が恐ろしく乾燥しているらしいのです。
私は、生まれも育ちも長野県なので、実感がないのだけれど。

肌が乾燥する上に、のどが渇く間隔が短すぎると、他県から来ていた友人が水筒の湧水を一気飲みしていました。

確かに、洗濯物の乾きが良いですね、松本は。
朝早くから、二回洗濯機を回して、干しました。

あとは、太陽にお任せして、さて、出かけましょうか。


今日ご案内するのは、たつのこ書店さん。


松本駅から駅前大通りをあがたの森方向にしばらく歩くと、深志2丁目の交差点があります。

その交差点を北に折れて、本町通りを過ぎて千歳橋を渡り、右に折れると縄手通りです。

女鳥羽川沿いの縄手通りをてくてく歩いて、はずれ近くにあるのが、たつのこ書店さん。

普段は、絵本屋さんですが、今日はおめんこ展を見に伺いました。


そう、おめんこ、です。

どんなエロスの世界かと、どきどきしながら入口に立てば、林迫山さんが礼儀正しくぺこりとお辞儀をして、「おはようございます。どうぞ。」と案内してくださいました。

そう、エロスとか卑猥とかの単語が当てはまらない好青年です。
いや、やっぱり、若干はそんな匂いがします。


入口近くの木の枝に、おめんこを印刷した白いTシャツが揺れています。

その下には、改造した自転車が停めてあります。
これで、おめんこを売りに街に出るそう。

なんだか、この五月の新緑の風と、ほのぼのした雰囲気だけで幸せな気分になってしまいました。


さて、本題の展示は、圧巻でした。


壁一面、おめんこだらけ!

基本的な色彩は統一されていますが、大きさも形もそれぞれ。

大きな模造紙に描かれたものは、マンダラのよう。


ほえ~、と、しばらくぼーっと眺めました。

この展示には、仕掛けが隠されていて、原画とおめんこを見比べられるのです。
でも、というか、勿論、自分から動いたもん勝ちで見られます。

あの独特の色彩とタッチで、自分の似顔絵も描いてもらえます。

私は、描いてもらうか悩み中です。

だって、今まで知らなかった自分が見えそうで、ちょっと怖いのです。


見終わって、エロスとか卑猥という印象ではなく、人間本来の自然にあるべき姿を見たという印象でした。


そして、帰りがけ、やっぱり礼儀正しく見送ってくれた林迫山さん。

松本には、面白いひとがたくさんいらっしゃるなぁ、とうれしくなりながら、女鳥羽川沿いを歩いて帰りました。



林迫山のおめんこ展


2015年5月17日(日)~5月31日(日)

月・水・木・金   10時~日没
土・日             11時~日没
火曜 定休

最終日31日(日)に実演肉体彩色及び徘徊乱入あり

たつのこ書店(縄手通り) にて

お問合せ  080-6939-0479 (林迫山)
               0263-35-4018 (たつのこ書店)

twitter@omennkoknnemo










2015年5月20日水曜日

松本ご案内、いたします。 1 ―情景図鑑 Gallery自遊石にて―


今日も松本は、真夏日。

あっという間に、のどが渇きます。
家から、からっぽのまま持ってきた水筒に湧水を汲んで、さて出かけましょうか。


今日ご案内するのは、Gallery自遊石さん。


松本の駅前大通り(正式名称は、あがたの森通り。名前の通り、あがたの森公園まで一直線に行けます。)を、駅とあがたの森のちょうど真ん中あたりまで来ると、市民芸術館西という交差点があります。

その交差点を北に折れて、大橋通りを半分ほど歩くと、Gallery自遊石さんに着きます。

墓石や、標識のようなものやら、石の板に文章が彫ってあるもの等々が、ガラス張りの一階にぎっしり詰まっているのが見えます。

この石屋さん(伊藤石材店)の二階が、自遊石さんです。


市街地にあるうえに、こんなに暑い真夏日にひんやりと涼しいのは、石たちのせいなのか、とか思ったりしつつ、階段を上がります。

階段の脇にも、石の作品がぽつぽつ。

開け放された扉をこえると、くすまない彩りに染められた風呂敷たちが気持ち良さそうに居ました。

風呂敷の展示方法というと、畳んで置いておくぐらいしか思いつかなかったのですが、平面ではなく立体として展示されていて、なるほどと思いました。

使うときには、考えもせずに立体に出来る風呂敷ですが、いざ見せようと思うとなかなか難しそう。

写真を撮っていいよ~、とオーナーの伊藤さんに言っていただけましたが、敢えてなしで行きましょう。
その方が、この風呂敷の面白さが実際に見たときに分かるだろうから。

もともと仕掛けのある図案が、展示方法で更にそうきたか!とくすっと笑いつつ、納得してしまいます。


そして、二つの区画に分けられた奥の区画に、モノクロの写真が展示してありました。

静かに、密やかに、でも瑞々しく。
そんな息遣いを感じる写真たち。

艶やかな色遣いを見た後だから、はっとさせられる白と黒の世界。

染物と写真の違いによるコントラスト。

最初からモノクロで撮るのか、カラーで撮ってモノクロに変換させるのかでも違いが出ること。

装丁の額の色や質感での、印象の違い。

キャプションの紙に添える言葉だけでなく、その紙の質感やちょっとした細部に込めるもの。

例え、同じ被写体を撮ったとしても、どうしてこうも印象が違うのか。

撮るときの感情まで、映り込む写真だからこそ、その人となりも出るのだろうか。

彼女の展示の中で、一番ハッとさせられる展示でした。


オーナーの伊藤さんに、将来やりたいこととこの松本ご案内のことも、ぽつりぽつりと聞いていただきました。

コア過ぎても、表面的過ぎても面白くないこと。
だからといって、中庸に保つというわけでもないこと。

今現在をしっかり見つめれば、半歩先が考えられること。

観光ではなく、このまちの暮らしそのものを紹介したいということ。

見方の切り口は、たった一つではないこと。

必要な情報と、ひとによっては邪魔なだけの情報もあること。

小さな、でも、ものすごく新鮮に感じられるビューポイントがあること。

自分で体験しなければ、分からないこと。


これからの課題と、それを楽しいかもとさえ思える元気をいただきました。


帰りがけ、普段から風の強い松本らしい風が吹いて、置いてあっただけのキャプションの紙がひらひらと床に落ちて、桃色のメリーゴーランドが、くるくると回りながら見送ってくれました。




情景図鑑

2015年5月16日(土)~23日(土)
10時~17時
会期中無休

Gallery自遊石
〒390-0811 松本市中央3-7-20
電話 0263-32-5265
http:// www.iyuseki.com














松本ご案内、いたします。


いつか、仕事にしてみたいと思えることが出来ました。


まだ、どんな風になるかは分かりませんが、出来ることからはじめてみます。


第一歩として、松本のまちのあれこれについて、自分で見て、触って、感じて、考えたことをお伝えしようと思います。


松本ご案内、いたします。